基礎・上級理論・指導者養成コース受講者の声

第11期基礎理論卒業生  

 この講座を受講しようと思った直接の目的は、数か月前から仕事・プライベートでうまくいかないと感じることが多く、それを改善するきっかけがつかめればよいと考えたことです。

私の場合はまず、4~5年前に初めて高橋ヨガの教室に通いだした動機が、仕事からくるストレスによる身体面・精神面の両方の不調を改善したいというもので、通いだして何度か瞑想講座や合宿に参加 した際に理論を学ぶ機会があり、その時から理論を学ぶことは自分の精神面を改善していくことに役立つのでいつかスケジュールが合えば、もっと体系的にじっくりとヨガの哲学を学びたいと思っていたということがあります。

 ただ、基礎理論講座の開講前は、3年間近く普段の高橋ヨガの教室から足が遠のいており、心と身体のメンテナンスをおろそかにする生活を長く送ったせいか、仕事でもプライベートでも、些細なことで心が乱され、疲れてしまい身が入らない日々が続いていました。理論講座開講数か月前には何事もうまくいかないなと感じることも多く、色々なことに不平・不満を抱き、一方で不満を抱く自分は何て自分勝手なのだろうと自己嫌悪に陥ることもよくありました。昔は有り難いと思っていたことを今では、あり難い筈なんだと頭では思いながら、どこか感謝の念が湧いてこない自分のことをなぜ自分は有り難いと思えなくなってしまったのだろうと悩むことも多くなっていました。自分の中のあれがしたい、これがしたいという気持ちで誰かを傷つけていたり、迷惑をかけたりし、人間関係も悪化させ、後から気付いて謝ることで関係を取り繕うということを繰り返す中でどんどんと疲れていく日々でした。 

 

 

そのような状況の原因の一つは、自分の中の弱さや甘えにあるのだろうということは自分で分かっていても、自分で自分を良い方向に導けないもどかしさを感じていました。そんなこともあり、自分だけではなかなか状況を改善できないと思い、教室に再び通いだした際に、理論講座が日曜日に開講されることを知り、スケジュールも合うのでその悪循環を抜け出すきっかけがつかめればと思い受講することに決めました。

  この理論講座で一番心に残ったことは、ヨガが目指す心の安定を得るにあたって煩悩というものが障害となり、その煩悩の1つであり煩悩の中でも最も根本的なものである「無明」について学んだことが一番印象的でした。

 「無明」は、この世の現象の根本原理を理解していない状態であるということを学びました。

例えばこの世の中のあらゆるものは変化していくことが当然であるのに、どこかで自分や自分のまわりの環境は変化しないと思い込む(思い込みたい)状態であったり、この世に生まれてきたからにはどんな人間にも親しい人の死、などの苦しみがやってくるのに苦しみという不都合なことを嫌ってこの世には苦しみなどない、楽なことばかりしかあってはならないと思いこもうとする状態です。

 そういった、この世の根本的あり方を理解していない(しようとしない)ことで、誤った考え方や行為をしてしまいどんどんと悪い結果がもたらされるということを、高橋先生が他にも様々な具体的な例を挙げて説明してくださる中で、まさに自分が今陥っている状況は、自分の中に「無明」という煩悩が染みついていたことによるものなのだなと気づかされました。

 今までは自分のいる状況が悪くなると、漠然と自分の考え方に何か原因があったんだとは思うものの、具体的にどのようなものなのかが見定められないことで、どのように改善していけばいいのかわかりませんでしたが、煩悩について学んだことで、これからは何かうまくいかないことが起こった際には自分の中を見つめて原因を探るときの手がかりとすることができるのではないかと思います。

 理論講座を通じて、今の自分の状況は自分の中の煩悩によるものだということがやっと見据えられるようになれたと思います。見据えるだけでは何も変えられませんが、ヨガは煩悩を取り除き心の安定を得るための実践的な方法論を示してくれていることもこの理論講座で学びました。そしてその方法論は、迷信めいた盲目的なものなどでなく、人間の体のしくみ(脳や神経、筋肉や骨格、呼吸など)についての知識や洞察に裏付けられた科学的なものであることも、この講座の中で学ぶことができました。内容的に難しいなと感じる部分もありましたが、インド政府公認の教材と高橋先生の具体的で身近な事柄を交えた説明のおかげで、実生活の中で、これは理論講座で学んだことだな、と振り返ることができ、だんだんと自分の中に学んだことが落とし込まれていっていると思います。

受講して、まずは、日々ヨガを継続することで自分の心と身体に向き合って、整える時間をとっていきたいと思います。そしてこの理論講座の中では、これまで普段の教室でご指導いただいていた体位や呼吸法については、その体位の姿勢を維持するための最低限必要な力しか使わないことの重要性を改めて学んだので、これからはよりリラックスしてこれらの行法を行っていきたいと思います。

自分はこんなにも色々な煩悩を抱えているのかと我ながら圧倒されそうになるのですが、今までは見えなかった煩悩を認識できたことや、それを乗り越える様々な考え方や行法を知ることができたことに感謝して日々ヨガに取組みたいと思います。そして心が安定して、些細なことに動じず前向きに物事に取り組んで日々喜びと活気に満ちた人生を送りたいと思います。